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ゆさゆさと体が揺れている。
ぬるま湯に浸かってるような刺激に腰が揺れる。何かをきゅっと締め付けたのが分かった。
「んああ゛っ゛」
浅い所を出入りしていたソレは動きを変え、ごりっと前立腺を突いた。
腕は快楽に彷徨い頭上でクロスしている。うつ伏せの状態で腰だけを突き出し、唇からはたらりと唾液が糸を引いていた。完璧に意識が浮上したが、状況が把握できない。
「やっと起きたか」
「へっ?んっ、ぁんんん゛んぅ゛」
背後から声が聞こえたかと思うと、顎を掴まれ激しく口内を貪られる。
ぬるりと舌先に触れるのを感じて舌を引っ込めようとするが、舌先を吸われ、甘く噛まれ、付け根をなぞられる。ぼーとする頭を現実に戻させるかのように、じゅぼじゅぼと出入りを繰り返す肉棒に襞がめくれ上がり、ずるずると抜かれる度にキスをするように吸い付いた。
「もっ、んぅんんっ、んっ゛ぁんっ゛」
キャパを越える快感に喘ぐ声は、くちゅりと音を立てる舌に掠め取られる。
「なっ、んで.....んぁ、あっあっっ」
「思い出せ。忘れたとは言わせない」
思い出せ.....?
ということは、彼とは以前に出会ったことがあるのだろうか。
「お前は昔から、遊馬しか見えていなかったからな」
(あす、ま)
今の今まで頭から抜けていた存在を思い出し、身体が硬直する。
ぎゅっと目を瞑るが、瞼の裏に遊馬に裏切られた光景が浮かんでくるため、思い出さずにはいられない。
(今頃、遊馬も葛城と.....)
「こんな時に考え事か?随分と余裕だな」
一瞬の間、思考を巡らせている俺に気付いたのか不敵に口角を上げると、汗で湿った髪をかきあげる。
「手加減してやってたが、要らないようだな.....っ!」
「へっぁ?」
ぐるりと仰向けにされると、覆い被さるように体重をかけられた。ぐぐっと前立腺を刺激しながら遊馬でさえも立ち入らなかった最奥に侵入してくる。秘所は屹立を受け入れ、ぎちぎちと彼の亀頭がはまり込んだ。
「ぁあ゛ああ゛いやぁああ゛ぁぁ、だめなとこだからぁあ゛あ゛ぁぁ」
息の吸い方を忘れたように、ハクハクと動くだけの口からはヒューヒューと規則性のない音が聞こえる。
「深く息を吸うのを意識しろ、楽にな.....っ」
解決案を教えてくれる声が聞こえるが、苦しさを上回る快楽の波にそれどころではない。
腕を彷徨わせているとやがて、ふさふさとしたものに触れる。男の頭部だと理解した頃には、行き過ぎた刺激を逃がすために抱きすくめていた。
「くっ、慣れるまで動かすつもりなかったんだがな.....煽ったのはお前だぞ」
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