繋いだ手

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繋いだ手を切り落とされて、片手を失ったわたしたち。 その切り落とされた手が行方不明で探してます。 片手を失ったわたしたち。 勢いよく鎌を振り下ろされて、その反動と衝撃で、ふたり逆サイドに吹っ飛ばされて、姿が見えずに泣きそうになって、泣いて泣いて探し回って、靴も履かずに裸足で彷徨い、視力を失ったかと感じるほどの闇を彷徨いながらも、手探りであなたも繋いだ手も探してて、不意にまだ体にある手を掴まれて、振り向いたらまだある手で抱きしめられて、「ごめんね」と言いながらふたりまだある手で手を繋ぎ、「なんであなたが謝るの?」と呟きながらも、「わたしもごめんね」と涙が溢れる。 「会いたかった。不安だった。ずっと探していたんだよ」 ふたり言い合いあなたとわたしの居場所も探して彷徨いながらも、また会えたねと、ぎゅっと握りしめるあなたの手。
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