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頭痛い、キンキン声に起こされた!
「なぁ、ルト。リィ、まだ起きないのかな?」
遠くの方でディーの声が聞こえる。
「…リィちゃんは寝穢いからまだでしょ。でもそろそろ起きるんじゃないかな?だって定期的に煩いじゃない。そろそろでしょ。あの怒鳴り声…」
ルトが言ってる。
あの声って何…?
「わたくしは『ピーナ(桃)のジュースが飲みたい』と言いましたのよ?!持っていらっしゃい!!!」
!!!
金槌で頭を殴られたみたいだ!
「うっさーーーい!折角いい気分で寝てたのに起こしやがって、腹立つーーー!!!」
私は寝ていた箱の蓋を蹴り飛ばして開けた。
「うおっ?!豪快な起き方だな、おはようリィ」
「お早くないよ、"おそよう"だよ。リィちゃん」
ディーは私の左隣の自分の箱の上に胡座をかいて座ってて、ルトは右隣の自分の箱に腰掛けてた。
周りを見回しビックリ。
だって豪華絢爛。
キンキラキンの金と宝石できらびやかに部屋内が埋め尽くされてる。
いくらマルアールが裕福になっても、王宮内の一室を飾るなんてできるのか?
ウィィン?
カーが辺りをキョロキョロと見回す。
一緒の箱に入ってたから私の魔力を吸ってて元気いっぱいだな。
…ノエルたちはさすがに眠ってるか。
ガラスケースに厳重に封印されてるノエルたちはピクリとも動かない、ってか!
なんだぁ?
あの紋様。
綺麗だけど邪魔だろ。
「困っちゃうよねー。錬金術士たちの封印鍵だよ。めんどくさいからリィちゃんが起きるの、待ってたんだよね。芸術作品、僕じゃ壊しちゃうからね」
とルトが言う。
私だって集中しないと壊しちゃうわよ、繊細なものなんだから。
まあ?
錬金女神の呼び名を伊達に貰ってるわけじゃないから、人に出来るなら私にだって片手間だけど~。
ということで。
封印鍵を上手に外すかな。
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