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「あいつの取り巻きの男に羽交い締めにされて素っ裸の写真撮られたこともあったよ。あの時はまだ今ほどカメラ付きケータイが普及してなくてね。普及してたら全世界にバラまかれて自殺してたね」
「いや…… 写真って話の流れ的にポラロイドだろ? それでも十分自殺の案件だぞ。そもそもイジメじゃなくて立派な傷害罪で犯罪だぞ」
「それで登校拒否だよ。教師にも警察にも密告ったんだけど、その近藤睦月のお父さんが弁護士でね…… これまでのイジメ行為を『遊び』ってことで学校も警察も丸め込んだんだよ。本人としてもマジで『遊び』のつもりだったらしい。そうそう、あの女のお婆ちゃんも『ウチの孫がそんな悪いことするわけない!』って校門の前でチラシ配ってたな、俺が被害妄想を宣ってるって書いてあったのだけは覚えてる」
「この親父、弁護士資格剥奪もんだな…… いや、ババア共々生きる資格剥奪でいいだろこれ」
「そんな女が僕に結婚の申し込みをしてきたんだ。どう思う?」
「最悪、ん? ちょっと待て? お前と同級生ってことはもうアラフォーだよな? この女も」
「出会いがなかったみたい。今は婚活パーティーによく出てるんだって。さっき言ってた」
「こういった女ってさぁ、さっさと結婚して、襟足の長い金髪のガキこさえて、スーパーでガキが走り回っても注意しねぇの、他人が注意したら逆ギレすんのね、後はクーペ乗りたかった旦那の提案無視して強引に買わせたワンボックスカーでウーハーガンガンで『あゆ』流してるの、そんなイメージあったけど、そうでもないんだな」
「酒神…… 偏見が酷いな」
「で、会うのか?」
「デートの約束しちゃったしね」
「お前、金はあるんだから暗殺者でも送ったらどうだ?」
「もう時効だよ。ニッコリ笑って会うつもりだよ」
「はぁ…… 恨みに時効は無いぞ。それにしても、この女が結婚出来ないのってこのイカれて捻れた性格が原因なんじゃないのか?」
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