練習2 蜂蜜

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「これ、どうするの?」  手に取った蜂蜜を、ルイの薄い胸に塗りつける。体温で溶けて、とたんに甘い蜜の香りが浴室に立ちのぼる。 「とりあえず最初は、塗って、舐めて、楽しむ」  蜂蜜をまとった指先が、ルイの肌の上でなめらかに滑る。胸、首、腕、腰――下着を引き下げ、下の方にも指を這わす。触れた瞬間、ルイが湿った声を漏らした。塗りながら、ときどき味見するみたいにあちこちを舐めていく。たっぷりの蜜に浸って、キラキラ輝く薄い金の産毛。  しなやかな全身に、金色の膜が張る。まるで高級なお菓子みたいだ。 「……んっ、はぁっ……なんか、もう……甘い……酔ってるみたい」  蜂蜜のせいなのか、ルイの声が今夜はやたらと色っぽい。ベトベト粘る肌触りのせい? 充満する甘い匂いのせい? 飴細工みたいなルイの姿を見ているだけで、俺の脳みそもクラクラしてきた。  舌を出し、胸を舐め上げる。あまりの甘さに頭が朦朧とする。上気した肌の上で、溶けた蜜が金色の糸を引き、汗と唾液が混じりあう。  ああ、何かもう、まだ何もしていないのにやばい気がする。  ルイの両脚を大きく開き、そのあいだに自分の身体をぴったりと重ねた。蜂蜜がお互いの皮膚あいだで隠微な音を立てる。その粘りがふたりの肌を引き寄せ、結びあわせようとする。――もうお互い完全に勃ってる。その体勢で、思わず腰をすり合わせた。 「……はぁっ、もう……挿れたい……」  思わず口から本音がこぼれた。ルイがとろんと酔ったような目で俺を見返す。 「……いれるって、どこに?」  ほら、やっぱりわかってない。俺は覚悟を決め、指先をすっとルイの尻の割れ目に這わせた。 「……ここ」
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