練習2 蜂蜜

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「……ユリウス、ねえ、ちゃんと入った? 入ってる感じ、するけど」  ルイが瞳をキラキラさせながら俺に尋ねる。感激で声が出ない。首を必死で縦に振る。 「わあぁ。できたね! すごい! 僕って才能あるんじゃない!?」  こんなことに才能があっても、得するのは俺だけだからね! お願いだから、もうこれ以上可愛いこと言わないで。ルイが愛おしくて死んじゃいそうだから。  ルイの首筋に顔を埋める。頭が痺れるほど甘い、最高級蜂蜜の匂い。ふたりとも身体中ぬめってベタベタ。激甘の幸福に沈没して、上手く息もできない。 「……で、これからどうするの?」  どうやらルイは、ふつうのセックスのやり方すら理解していないらしい。 「……うん。動くんだけど、動いたら一瞬でいっちゃいそうだから、もうちょっとこのままでもいい?」 「……いいけど?」  ルイの両脚が俺の背中にぎゅっと絡みつく。身体が柔らかい。細くてしなやかで、上等の白猫みたい。  ルイがこの世で一番可愛い。一生、全力で、可愛がってやろう。 「ねえ、まだ動かないの?」  呆れたようにルイが笑う。もうちょっとだけ、とルイの頬にくちびるを寄せ、目をつぶった。  幸せだ。このまま蜂蜜の中に身体が溶けて、大きなひとつの甘い海になれたらいいのに。 〈練習2蜂蜜 無事終了〉  ここまでお付き合いいただきありがとうございました!  ふたりのイチャイチャ、もう少しだけ続きます!  次回、〈ボタンと蜂蜜の、そのあとで〉♡
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