練習1 ボタン

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 ルイの華奢な身体をひょいと抱き上げ、寝台の上に放り投げる。その上に跨り、残りのボタンの列を一瞬で外した。俺、こんなに器用に外せるんじゃん。自分のスケベ心が引き出す能力に、ちょっとドン引きする。  白いブラウスの前を左右に開く。そこに現れる、すべすべとした一面のミルク色。その白さが眩しすぎて、くらりと眩暈がする。首も腰も鎖骨も細くて、女の子みたいだ。いや、女の子の裸なんて一度も見たことないんだけど。  顔を上げると、ルイと目が合った。金色の前髪に覗く、潤んだ水色の瞳。目元がほんのりピンク色に染まっている。キラッキラだ。いつもに増してキラッキラ。  チュっと音を立てて、くちびるに軽いキスをした。キスだって、両想いになってから、まだ軽いやつしかしたことないのに。  いじめたい。泣かせてみたい。やめてと言うのを押さえつけて、エロいことをいろいろしたい。  息をつく間もないほど、続けてキスを落とす。そのふわっふわなくちびるを噛み、吸い、舐めた。緩んだその隙間に舌を差し込む。ルイの舌を、歯を、口の中を、まんべんなく舐めまわす。ぷはっ、とときどきルイの苦しげな吐息が漏れた。苦しくて、甘くて、いやらしい。頭の中がぼうっとする。  首筋に顔を埋め、ミルク色の肌に舌を這わせた。くすぐったいのかルイが身をよじる。逃げられないように左腕を掴んだ。もう片方の手で、ルイの肌を撫でる。 「ん……ちょっと、もう、そんなに」  ルイの甘い声が、吐息が、耳にかかる。首筋に強く吸いつき、離した。  濃いピンクの痣ができる。ミルク色の細い首筋に浮かんだそれは、果てしなく淫靡な色をしていた。
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