練習1 ボタン

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 耳たぶを軽く噛み、中に舌を差し入れる。執拗に舐め回すと、ルイが肩で息をしはじめた。吐息の合間に、押し殺したような甘い声。逃げようとする身体を逃すまいと強く引き寄せる。 「……ふあっ、やあっ……もっ、だめ……なんかもう……おかしくなりそ……」  そのまま片手を下へ這わせた。ズボンの中に差し入れ、触れる。驚いたのか、ルイの身体がびくっと跳ねる。  ちゃんと反応してる。 「……あっ、待って、ユリウス……そこ、は、ちょっと……や、あんっ」  俺の腕をルイが制止しようとする。でもやめてやらない。手を動かすと、その中でわかりやすく膨張していく。たまらなく可愛い。可愛くて可愛くて、欲情が暴走する。 「……感じてる?」  尋ねると、泣きだしそうな顔で、じっと俺を見つめた。 「……気持ちいい? 嫌じゃない? 続けていい?」  質問を続けると、無言のままこくりと頷いた。 「素直なところも可愛い」  ズボンを下ろし、その先端を舌で舐めた。こんなところまで綺麗で可愛いなんて、もう天使どころの話じゃない。 「……えっ、口で!? ダメ、だってば……そんなこと、もうっ……ああんっ、ユリウス、やっ、……ふっ……んっ……はぁ、んっ」  ルイの手が俺の服を引っ張る。もう全然力が入っていないから、引っ張られても何のことはない。    それよりもその完璧な喘ぎ声に驚愕する。こんな喘ぎ方、はじめてなのになぜできるんだ? どこかで予習でもしたのか? ――いや、黄金の箱入り息子のルイが、こんなことをどこかで覚えてくるはずがないじゃないか。ということは、このエロさは天然だ。まさしく天の授けし奇跡のエロスだ。
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