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1.憧れのパイロットがいっぱーいヽ('∀')ノ
結婚すると環境が変わるというけれど――。
「心優さ~ん、俺、俺、気絶してもいいですかあー」
久しぶりに御園准将が空母艦で雷神の訓練を見たいと言い出し、秋晴れの珊瑚礁の海を連絡船で渡って、空母に着いたところだった。
艦載機が待機しているすぐ下のフロア、甲板レベル1に、パイロットが詰める待機ルームがある。訓練前もパイロットたちはここに集合し、ブリーフィングを行ってから、甲板に赴き離艦する。
今から演習訓練を始める白い飛行服の雷神パイロット達も、その部屋に集まって、いま雷神の飛行部隊長に就任した橘大佐と代理の地位についた雅臣の大佐二名を監督とし、飛行隊長である1号機スコーピオンのウィラード中佐がブリーフィングの進行をしている状態だった。
その一室の後方にて、御園准将と心優は静かに控えているところ。
初めて空母艦に付き添ってきた後輩の吉岡光太が、心優の後ろでずっと興奮しっぱなし。
「ソニックの隣にいるのが、もしかして、もしかして、マリンスワロー飛行部隊のアクロバットを指揮していたエンブレム、橘大佐?」
「そ、そうだね」
「雷神の、右から七番目! 黒髪の日本人男性。あの人が、もしかして、もしかして、もしかして……、雷神エースの、バレット。鈴木少佐?」
「そう。彼の右隣にいる六番目の栗毛の男性が、バレットと僚機の、」
「スプリンターっすか!」
うわー、うわー、俺、雷神のDVDいっぱい持っている! あの映像のあの人、あのアクロバットをしていたあの人、あの人はタッククロスが綺麗で……。と、心優の後ろでずうっとずうっとマニアックな呟きをしている。
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