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ハワード少佐が笑う。
キンキンとロッドがぶつかり合う音でさえリズミカル。
そして大魔神殿は訓練時間が終わるまでに、護衛のCチームにも指導に来るようになった。
Aの警備隊は猛烈な特訓で父も容赦なかった。だけれど、こちらの護衛チームに来ると大魔神という雰囲気がなくなる。
その日も、訓練時間の最後に父がCチームにやってくる。Aチームの熾烈な特訓は部下に任せてという形だった。
「ハワード少佐、そして城戸、吉岡。来てくれるか」
園田教官に呼ばれ、三人一緒に向かう。今日は父の横に、三十代ぐらいの父の部下が一緒にいた。正面に来ると、父が告げる。
「こちらの三人は艦長室に配属され、常に艦長のおそばに寄りそう護衛官。今日は私の部下の一人を艦長と見立て、いざというときの護衛を訓練したいと思う」
「イエッサー!」
艦長室護衛官三人で敬礼をする。
「では、二分後に開始。それまでこのような事態が勃発した際の対処を三人で決めて欲しい」
父が襲撃をする場所をどこにするか読まれないよう、外周をくるくると歩き始める。
父の部下、艦長と見立てた男性を目の前に、ハワード少佐をリーダーとして話し合う。
「俺はまだ全快ではない。でも光太もまだ未熟だ。でも俺が最初に盾になる」
「ですが、本番でもそのつもりなんですか」
また盾になって負傷する結果を望むのかと心優は案じた。
「わたしが前線で食い止めます。吉岡君とハワード少佐で二重のガードをするというのはどうでしょう」
そこで光太も真剣に話に入ってきた。
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