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それでも園田教官が襲ってくるとわかっているからまだ構えていられる。
でも父はCチームが訓練をしているスペースの外周へと距離を置いたままたたずんでいるだけ。
一分が経過……。いきなり襲ってくるのだろうが、これだけ時間が経つと緊張感が高まるだけ。非常に多大なストレスとプレッシャー。それを蓄積させる作戦なのだろうか。
護衛部の後藤中佐も他の部署に配属されている護衛警備員達も『艦長を護るべき艦長室護衛官の訓練』に固唾を呑んでいる。
心優はじっと父を警戒していた。ハワード少佐も……。
「心優さん!」
最初に気がついたのは光太だった。心優の後ろに控えていた光太が先に三段ロッドを振りかざしていた。『ガチン』とロッドとロッドがぶつかり合う音が心優の目の前に。光太が阻止している! しかも光太を襲っていたのは、護衛部長の後藤中佐!
嘘でしょ! しまった、油断した! 父は『俺が襲撃役をする』なんてひとことも言っていなかった!?
ハワード少佐が警戒したとおりに、普段なんともない人に紛れて突然襲ってくる。その通りの状態に置かれた!
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