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僕は日菜に手を握られ、朝から引きづられて行くように、カフェへと連れて行かれる。まるで、犬の散歩のように。
相談する時、いつも頼みに行ってくれて、わかってるはずなので、僕は疲れた体を休める為に、席に先に着く。すると、一緒に着いてくる日菜がいた。
「今日は、一緒に頼みに行かない? 席取れたし」
「いいよ、今日は奢るよ〜」
「やった〜!! 高いものにしよ〜」
朝からパフェを見始める日菜。僕はコーヒーだけでよかった。
「すみません、コーヒー一つと、、、」
僕の横では、足を震わせる日菜。何に怖がっているのか、僕にはわからないが、耳を澄ましてみる。
すると日菜は、小さな声で言っていた。
「わ、私も、、、」
「コーヒー二つで」
「ご注文は、以上でよろしいですか?」
日菜がパフェを見ていたので、僕は日菜を見る。
日菜は、頷き続けていた。
「後、このイチゴパフェお持ち帰りできないですか?」
「かしこまりました」
僕と日菜は、席に戻る。
席に戻ると、足の震えは止まっていたが、辺りをずっときょろきょろして、見続けていた。
「何かあった?」
日菜は、口を開こうとしない。座ってから、一度も顔を合わせていない気もする。どこからか、監視されているのか確認するように。
「お待たせいたしました~」
注文が届き、僕はゆっくりと飲み始める。
しかし、日菜は何かに焦っていたように、急いで飲み始める。
「あっつ!!」
「落ち着きなって、なにがあったの?」
僕も、コーヒーをさっさと飲み終える。
「うちに戻ろうか」
まるで行きと逆のように、肩を掴まれながら、日菜は僕の肩を掴みながら帰る。
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