はじまりのおわり

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 神様の声が降り注いできた。 「モノリスよ。これまで永きに渡り、人類の為に尽くしてくださり、感謝する。こうして人類は浅ましく卑しく、それでも繁栄することができた。」 「しかし、今こうして私の力を手に入れんと愚かな者によって美しき魂が消えました。」 「悲しむ必要はありません。人間が一人、リーンの理の中に帰依しただけのことです。人類すべてはその程度では消えません。」 「そんな!神といえど、彼のことを侮辱することは許しません!」 「いえ、彼が消えたとて人類は変わりません。しかし…。」 「しかし…?」  神様の姿は決して見えない。しかしその時は、ふっと微笑んでくれたように思えた。 「その矮小さを抱えながらも世界を変えんと足掻く美しい魂に私とて惹かれたのです。貴方の涙の意味は分かります。モノリスよ、これまで長きに渡り、人類の為にその力を余すことなく用いたこと、誠に大儀でした。これからは貴方のために使いなさい。貴方なら大丈夫です。」 「私の為…?」 「己の為、愛する人の為、愛する世界の為、如何様であれ、私は貴方の選択を赦しましょう。さあ、もうその力は今から貴方のものです。好きにしなさい。」  優しい光が消えていった。
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