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そうやって何とか過ごして半年が経った頃…、早めに学校に行こうとドアを開けた所に奏多が寄りかかっていた。
『よっ!久しぶり。』
『…えっ!?か、奏多…!?ど、どうしたんだよ、急に…。葉山先輩は?』
『んー…別れた。』
『えっ、いつだよ…』
『…1週間前ぐらい?朱莉さん、同じ学年の人と俺とで二股かけてたみたいで。』
『…は?美人なら何してもいいのかよ…』
『まぁ…そんな訳ないけど、俺も悪いとこあったみたいだし。』
『お前に悪いとこなんてないだろ…、少なくとも俺はそう思ってるよ?』
そう本音をぶつけると、奏多はハハッと乾いた笑いを見せた。
『やっぱ、俺には隼人しかいねぇよ…。朱莉さんにさ、「私と話してても、その隼人?って人の話しかしないよね。」って言われてさ。…全然意識してなかったけど、確かにって思って。』
ドキッとした。
『…俺の話……?』
『そう。俺、2年になって隼人と話す機会減って寂しかったのかな?ずっと隼人のこと話してたみたい。』
そう言って照れ臭そうに笑う奏多を見て、胸が熱くなった。身体が熱るのも感じた。
『だから、これからまた…一緒に登校してくれる?』
『…しゃーないなぁ。』
そう言った俺の顔は、きっと…気持ち悪いぐらいニヤけていただろう。
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