第一章 片想い

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そうやって何とか過ごして半年が経った頃…、早めに学校に行こうとドアを開けた所に奏多が寄りかかっていた。 『よっ!久しぶり。』 『…えっ!?か、奏多…!?ど、どうしたんだよ、急に…。葉山先輩は?』 『んー…別れた。』 『えっ、いつだよ…』 『…1週間前ぐらい?朱莉さん、同じ学年の人と俺とで二股かけてたみたいで。』 『…は?美人なら何してもいいのかよ…』 『まぁ…そんな訳ないけど、俺も悪いとこあったみたいだし。』 『お前に悪いとこなんてないだろ…、少なくとも俺はそう思ってるよ?』 そう本音をぶつけると、奏多はハハッと乾いた笑いを見せた。 『やっぱ、俺には隼人しかいねぇよ…。朱莉さんにさ、「私と話してても、その隼人?って人の話しかしないよね。」って言われてさ。…全然意識してなかったけど、確かにって思って。』 ドキッとした。 『…俺の話……?』 『そう。俺、2年になって隼人と話す機会減って寂しかったのかな?ずっと隼人のこと話してたみたい。』 そう言って照れ臭そうに笑う奏多を見て、胸が熱くなった。身体が熱るのも感じた。 『だから、これからまた…一緒に登校してくれる?』 『…しゃーないなぁ。』 そう言った俺の顔は、きっと…気持ち悪いぐらいニヤけていただろう。
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