第一章 片想い

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けれども、部活もしていない俺はゲームか勉強しかする事がないので、自然と学力は中の上ぐらいは常にキープしていた。 『いや…隼人は悪くないじゃん。勉強、頑張ってたし。…そっか、中央か。』 何だか考え込むようにそう呟いた奏多。因みに、中央高校はその名の通り地元の中心部にあり、かなり都会の高校だ。そして、東高校がスポーツ校であるのに対し、中央高校は進学校であった。 奏多も頭はそんなに悪くはないが、特別良いわけではない。他が抜きん出ている分、学力は中の下…といったところだろう。 『…奏多?』 『いや!何でもない!お互い頑張ろうな!!』 『あ、…うん?』 だから後々、進路先を変えたと言った事を後悔するのだ。 ……まさかあの奏多が、部活を引退してからすぐ、中央高校に行くために勉強するだなんて思ってもみなかったからだ。 『なぁなぁ、これ見て!』 そう言っていつもの朝、昨日返却された模試の結果を自信満々に見せてきた奏多に目を見開いた。 『えっ…!?奏多、お前…中央にすんの?高校…?』 『そう!だって隼人と同じ高校行きたいし…バスケ強豪校に行ったら、レギュラーなれないかもだしな?』 そう言ってニコニコと笑う奏多に、焦る反面…その言葉に胸を高鳴らせる自分がいた。
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