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…また同じ学校に通えるかもしれない。
その未来が、奏多を好きな自分を肯定してくれているような気がした。
『そんな事は無いと思うけど…本当にいいんだ?中央で…?』
『おう!自分で決めたからな!…確かに東から推薦は来てたけど、俺…部活だけじゃなくて学校生活楽しみたいし!それなら、隼人がいた方が絶対楽しいじゃん?』
そう言ってニカッと笑った奏多に、あぁ…敵わないなと思った。
…惚れた弱みだ。こんな奏多だからこそ好きなんだ。心からの言葉だと分かるからこそ、心底嬉しい。
『…俺も、奏多と一緒なら楽しい。』
『だろ!?…よっし!じゃあお互い受験勉強頑張ろうな!!』
それから、時間がある時は2人で受験勉強をするようになった。
奏多が分からない部分は俺が教えたし、逆に俺が苦手で奏多が得意な教科は教えてもらった。
……そうして2人で受験勉強を乗り越えた結果、現在に至る。
俺と奏多が中央高校に入学してはや2ヶ月…。俺にもそれなりに仲の良い友人は出来たが、奏多の圧倒的人気を前にして、流石にクラス内では自分から絡みに行こうとは思わない。
「中嶋の幼馴染は、今日も大人気だねぇ…」
そう呟いたのは前の席の小林。俺の机に頬杖をついて、奏多の方に目をやる。
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