第一章 片想い

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改めて奏多が好きだと自覚して数日。 「中嶋君、ちょっといいかな?」 最近になって前より頻度が多くなった事がある。 「あの…小鳥遊君と仲良いって聞いたんだけど…。」 「仲良いって言うか…一応幼馴染なもんで…。」 「そうっ、なんだ!…じゃあお願いがあるんだけど……」 俺の目の前でモジモジとする女子。小柄で可愛い子だ。 「…もしかして、奏多にラブレターかなんかだったりする?」 「えっ!?な、何で分かるの!?」 俺は苦笑いを浮かべ、手を差し出した。 「…何となく、そうかなって思って。いいよ、渡しておくから。でも、直接渡さなくて大丈夫?」 別に何となくでは無い。…今月に入ってからラブレターを渡して欲しいという子が俺の元へ訪ねてきたのは今日で5人目だ。 「…うん、小鳥遊君前にしたら緊張して渡せなそうだから。…お願いします。」 そう言って俺に頭を下げてきた。…前回の子と比べて随分と礼儀正しい子だ。 「分かった、すぐ渡しておく。」 「…ありがとう!」 ラブレターを見つめながら、さっきの子の言葉を思い出していた。 「…分かる気がする。」 気付いたらそんな言葉を呟いていて、ハッと周りを見渡した。…誰もいなくて良かった。
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