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その中でも、1番堪えたのは学校一の美少女と言われていた一個上の先輩と付き合った時だった。
その先輩は奏多が所属するバスケ部のマネージャーで、俺が知らないところでいつの間にか仲良くなり、奏多からその先輩と付き合う事になったという事を聞かされた。
『…良かったな!葉山先輩めちゃくちゃ美人だし…奏多とお似合いだと思うよ。』
そんな言葉、自分から言わなければならない日が来るなんて…思ってなかった訳ではないが、それでも悔しかった。
自分には堂々と奏多と手を繋ぐ事も、キスする事も…そもそも告白する事もできやしないのに。
でも、ただ自分が傷付きたくなかったからだ。
勇気が出なかったからだ。
……ズルいのは、本当の気持ちを伝えずに、ずっと幼馴染で親友というポジションを保っていようとする自分自身だったのだ。
そして、少しだけ…自信があった。
奏多は彼女を作っても、絶対に自分との時間も大切にしてくれるって信じてたからだ。
だから自分の気持ちに蓋をして、我慢すると決めたのだった。
けれども、少ししてそんな自分の考えが甘かったという事に気付かされた。
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