溺愛

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プロポーズするなんて決めてたのなら、早く言ってくれたら、あんなに悲しい気持ちにならなくて済んだのに。 『ミュウに、俺と離れたくないって、ちゃんと思ってもらわないと、結婚までウンって言わないんじゃないかと思って』 『離れたくないって、ずっと思ってたよ』 『ミュウ、あれまで一度もちゃんと言わなかった』 少し首を傾げて私の目を見る。 我慢して、納得して、言葉にしてこなかった。 『プロポーズすることは決めてたけど、離れたくないって感情的な時に結婚って持ち出すのも、あんまりに卑怯だったかなとちょっと反省して、一日考えてって言うことにした』 あぁ、それもあって、一旦、考えてって言われたのか。 でも、泣かせたくないって言うくせに、泣かせる。 結婚まで言わなくても、別れるつもりじゃない位、言ってくれても良かった。 『私が泣くから、一緒に連れてくって言う割には、あの時、何にも言ってくれないの、意地悪だった。昨日、あんなに泣いたのに』 文句を言うと、ぎゅっと抱きしめて、ごめん、と言った。 『だけど、ミュウが俺のいないとこで泣くのと、俺の腕の中で泣くのとは、大きく違うよ』 優しい声でそう言うと、宥めるように、私の頭に口付けた。 『ミュウ。俺に落ちてほしかったんだよ。抜け出せないほど。諦めて、俺と一緒の人生を選んじゃう位』 甘く溶けるような目をした人。 『もう18の時から、あなたに落ちてる』
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