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「ねえ沙良どこ行く気?」 「んッふふ〜、良い場所」 まさかスパじゃないよな!? そうだとしたら俺と沙良の関係のためにそんな場所には行かせられないぞ、じゃないと地獄を見るぞ両者…… 「はい着いた」 「なんだカラオケ」 「不満? やっぱりスパが良かった?」 「う、ううん! むしろここがいい」 「良かったぁ」 ここなら服を脱がなくて済むしな、脱がなくて済むならなんでもいい。 そして店に入り受付に行くと…… 「え、柚月? 柚月じゃん! え〜誰その可愛い子?」 うげッ!! クラスの女子達…… なんでここにいるんだよ!?  「ん? 柚月のお友達?」 沙良はニコッと俺のクラスメイトの女子に微笑んだ。 「可愛い…… てか柚月その……」 「エリカ!! ちょっとこっちに! 沙良ちょっと待ってて」 「え?」 俺は女子達の腕を引っ張って沙良から離れた。 エリカとメグミ、まだこいつらだったから良かった。 こいつらは俺にたまに話し掛けてくるし性格も悪い方じゃない。 だけどこの状況、俺が女装しているのと沙良のことをなんて説明すれば…… 「柚月その格好何? いや可愛いんだけどさ、一瞬目を疑っちゃったよ」 「もしかしてよくそんな格好して……」 冷や汗がマッハだ、エリカとメグミはそっこーで俺の核心に触れた。 ヤバい、一瞬でバレたということは…… いやいや誤魔化すんだ!  「あのさ、実はあっちの子…… 男」 「「ええッ!!?」」 「え?」 2人が驚いて沙良を見たので沙良もなんだろ?という感じにこちらを見た。 ダメだ、沙良が男なんて言ったら2人の興味を更に引いてしまう。 「じゃなかった」 「「は?」」 「…… 実は俺、女としてあの子に会ってるんだ」 「「へぇ〜…… え??」」 「ねえ柚月、何コソコソしてるの?」 「さ、沙良!?」 俺が潔くカミングアウトした時不意に沙良が後ろにいた。 エリカとメグミは俺の言ったことに硬直してるし。 「あ、そう、ふ、ふぅ〜ん」 「ええと、沙良ちゃんって言うんだ、へぇ」 2人もいろいろなことにビックリしていてとてもぎこちない。 これは死んだ…… 「柚月の知り合いってことは柚月と同じ学校の?」 「そ、そうそう、沙良ちゃんは?」 「私は鈴鹿女子。 あと沙良でいいよ!」 沙良はパッと2人にはにかんだ。 「か、可愛い」 「流石鈴鹿女子……」 沙良と2人は軽く自己紹介をした。 「えっと…… 柚月とは仲良いの? どういった経緯で?」 「うんうん、私も気になってた」 エリカが俺を見て沙良に質問をする。 や、やめてくれ、沙良から何を聞き出そうとしてるんだ? 「うん柚月とはすっごく仲良いよ、ねぇ柚月? ってええ!? 顔ヤバいよ柚月!」 「へ? ああ……」 汗で前が見えない。 「ちょっとトイレ行こう柚月」 「「女子トイレに!?」」 「え? そうだけど??」 2人が正気かこいつ? みたいに言う、いやまぁそうなるよな。 「とりあえず部屋を借りよう沙良」 「いいのそれで?」 ひでぇ顔になってるのはわかってるがこの状況の方がもっとひでぇ。  「あのッ…… 私らもご一緒していい?」 「は!?」 メグミいきなり何言い出してんだ? いいわけないだろ! 「柚月の知り合いだしいいよ、ね? 柚月」 「うぐッ…… いいの沙良?」 なんでそうなる!!? 「勿論! 大好きな柚月のこと柚月以外の人に聞ける貴重な機会じゃん」 沙良は満面の笑みで俺の手を掴んで言った。 可愛い、マジで可愛い。 大好きな柚月ってもう告白じゃね? ってそんな場合じゃない、世の中知らない方が幸せだったと気付くだろう…… 「そ、そういうことらしいんで」 「ほえー…… はッ!」 俺と沙良のやり取りを見ていてエリカとメグミはポカンと口を開けて見ていた。 「いいってさメグミ!」 「やったね」 こっちは心の中ではムンクの叫び状態なんですけど。 受付は済ませて部屋に入ると俺は崩れた化粧をまず直す。 「もぉ〜相変わらず汗っかきだなぁ柚月は。 でも完璧過ぎる美人よりは欠点があった方が可愛らしいしね」 そう言って俺の汗を手慣れた手つきで拭っていく様子をまたもあんぐりして見ている2人。 わかってるぞ、何言っちゃってんの? みたいに思ってるんだろ、もう落とされていく化粧とともに覚悟がついてきた。 言えよ、一思いに言っちまえ! 「あのさ沙良」 「ん?」 エリカが口を開いた。 やっぱなし! 言わないでくれ頼むエリカ!! そう念を込めた目線をエリカに送った。 それが通じたのか…… 「どこでどうなって柚月とそんなに仲良くなったの?」 「ええとねぇ、私がナンパされて困ってる時に柚月が現れて助けてくれたの。 あの時の柚月かっこよかったなぁ」 「そうなんだ…… 柚月が。 ふぅーん」 エリカとメグミは俺をじーっと見る。  「それで何回か柚月と遊んだんだけど柚月といると楽しくて。 美人なんだけど汗っかきでたまにこんなんなっちゃうけどそこも可愛いいし」 うう、恥ずかしい…… いろいろとこんなんなっちゃって。 「さっきも言ったように柚月は大好きな友達だよ!」 そして「はい、綺麗になった」と言って沙良は俺の頭を撫でた。  「柚月〜、沙良ってめっちゃ可愛いじゃん、もっと早く紹介しなさいよ」 「だよぉー!」 「あ、ええと機会もなかったし……」 あれ? 普通に話合わせてくれる雰囲気?? もしかしてこれは大丈夫な感じ?
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