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ベッドで寝ている間、私は傲慢にも、ずっとずっと祈っていた。
どうか、どうか、二人がうまくいきますように。
神様、お願いします。
お願いします。
どうか、どうか。
アルファ様と会った後のミランダを見て、私は神に感謝した。
だって、頬を染めて嬉しそうにアルファ様のことを語るミランダを見れたのだから。
嬉しかった。
幸せになってもらいたいと思った。
だから、なんとしてでもアルファ様にはミランダを好きになってもらう!
ええ、なんとしてでも!
手紙を書くように助言し、筆跡を理由にその後もミランダに手紙を書かせ続けた。
でもね。私があれこれしなくてもよかったみたい。
アルファ様の返事を見て思ったの。
そして、実際にアルファ様を見て確信した。
この方はミランダを思ってる。
強く、強く思ってる。
だって、目が違うもの。
ミランダを見る目が、それはそれは、愛しそうだもの。
誠実そうな人だし、なによりミランダも好きになっている。
ミランダは私を思って、好きとはハッキリ言わないけど、バレバレよ。あの子、嘘がつけないのよね。双子だもの、それくらい分かるわよ。
二人をくっつけることはうまくいった。
あとは、私とアルファ様の婚約破棄だけ。
婚約破棄させつつ、ミランダと婚約するにはどうしたらいいのだろう。
実は身代わりでしたー!って正直に言ってみる?
それもありかもしれないけど、お母様が許しそうにない。お母様は体裁を気にする方。嘘をついていた家と辺境伯爵様との縁を結ぶなんてとんでもない! とか言いそう…。
じゃあ、お父様に頼む?
うーん、いまいち、頼りない。
お父様って、ただのお人好しだから。
もっと、こう、辺境伯爵様に納得してもらいつつ、お母様もそれしか選択肢がないような、そんな方法はないものかしら。
いい方法が見つからないまま、私はあの笑顔がうさんくさい男に出会ったのだった。
そう、アルファ様の仕事仲間のヨーゼフ様だ。
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