出会い編 はい。喜んで。

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「ありがとうございます。でも、私達は偽証の罪があります。それは娘を止められなかった私、親の責任です。どうか、娘達には、何のお咎めもないようにしてください」 「お母様!」 「あらあら。罪だなんて、そんなこと思ってないですよ」  夫人が私を見ます。 「ミランダ様」 「……はい」 「あなた、首のところにホクロがあるんじゃない?」  夫人の話通り、私には首のところにホクロがあります。 「はい」 「初めてお会いした時にね、首に可愛らしいホクロに気づいたの。ほら、私、あなたに近づいてお話ししたでしょ? その時にみつけたのよ。ふふっ、私、目だけはいいの」  そうだ。アルファ様とお話しする前に夫人と話しました。 「最初に出会ったのが、――あなただった。とっても可愛らしいお嬢さんで本当に嬉しかったわ。そして、そのお嬢さんとアルファが婚約してくれるんだもの。こんなに嬉しいことはないわ。たとえ、あなたが名前を偽っていたとしても、私は許します。だから、アルファと婚約してくださいますか?」  優しい夫人の言葉に、こくこくと頷きます。夫人は満足そうに微笑むと、アルファ様を呼びました。  しばらくして、アルファ様が部屋に入ってきました。  私は立ち上がってアルファ様の元に駆け寄ります。 「アルファ様……私……」 「もう、いい。もう、いいんだ」  困ったような優しい微笑み。それを見て涙を拭います。 「ミランダ……」  初めて呼ばれた名前にドキドキしながら、アルファ様を見つめます。 「君の婚約者になりたい。婚約式をしてくれないか?」  涙があふれ、こぼれ落ちました。そして、ありったけの思いを込めて私は笑いかけます。 「はい、喜んで」  そして、一ヶ月後のよく晴れた日。私たちは、婚約式をしました。
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