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ねぇ、先輩、覚えてる?
私のこと。
知らないだろうな……
片思いだったの。
あの頃の私は、ものすごく恥ずかしがりやで。その上にチョーがつく程の緊張する質で、普通に話してるだけなのに顔が真っ赤に染まってしまう。
だから、意中の人に告白なんて夢のまた夢だった。
放課後一人になると、切ない思いを抱えため息をつきながら、校舎の窓からよく空を見上げていたっけ……
冬のね、大空から舞う雪の一欠片に生まれ変わりたかった。好きな人の肩めがけてそっと降りて、でもきっと恥ずかしくなってとけちゃう……
大好きな人の側で人知れず儚い一生を終える。
そんな想像をして、一人赤くなっていた私を先輩は知らないでしょう?
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