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その後トイレの個室で、何も考えなくても進められるソーシャルゲームに1万円の課金をしていた時のこと。薄いドア越しに聞こえた会話は、私にとどめをさすのには充分だった。
「岡本さん大丈夫だった?」
「うん」
「ほんと、ウザいよ、あのお局」
岡本さんと……その他2名と言ったところ……か。
……名前は知らないけど。
「どうせ、いちゃもんつけたいだけなんだよ」
「そうだよ!ちゃちゃっとタイトルだけ変えて、押し付けちゃおうよ!」
「どうせ責任取るのは、あのお局なんだから、さ」
「ありがとう……二人とも……」
「でかい失敗させれば、異動させられるかもな」
「あー!それいいね」
そうして三人は、定時後のお楽しみの話に即座に切り替え、笑いながら出て行った。
私の体は、考える人みたいに硬直していた。
それから、どうやって家に帰ってきたのかは覚えていない。
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