第2幕

5/8
前へ
/11ページ
次へ
次の日の朝、私は自分のベッドの上にいた。 下着姿だったはずなのに、パジャマを着ていた。 そして、ローテーブルの上には、ペットボトルの水と頭痛薬が置かれていた。 「あれ……私……」 と、何があったのかを思い出そうとしたら、ひどい頭痛がした。 額を抑えながらスマホで時間を確認すると、もう出社をしないといけない時間は過ぎていた。 急げばギリギリ滑り込めたかもしれない。 でも……私には、この痛みを無理矢理耐えてまで、会社に……あの人たちと同じ場所に行く気力は残っていなった。 病欠の連絡をしてから、もう1度ベッドに潜った。 目をつぶった思ったら、チャイムの音で起こされた。 窓の外は、すでに夕焼け色に染まっていた。 チャイムの正体は実家からの小包だった。 あんたご自慢の団子でも作って食べなさい と母の少しクセがある字で書かれた手紙と、団子用の粉が入ってた。 「……なんで急に団子………しかも……粉くらい、こっちでも、売ってるっつーの」 と独り突っ込んでしまった。 それが、なんだかおかしくて笑ってしまった。 いつもならこの時間は、戦いの時間。 でも今日は……何も無い。 私は着ていたパジャマと下着を脱ぎ捨てて、まずはお風呂に入った。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加