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「印刷した麺を食わせてくれる店なんだ。行ってみたいなあってずっと思ってたんだけど、なかなか行きづらい場所にあるし、ためらってたわけ。でも最近、メニューに『三高亭』の醤油ラーメンが追加されたんだよ! 俺らの行きつけだった店の味が東京で味わえるってなったら行くしかないっしょ! それでタクマを誘おうって思ったんだよ」
「……はあ」
「おい、説明してやったのにそれだけかよ」
不満そうな声を出す豪。
「豪はいつも説明が下手なんだよ!」
拓真は頭を掻きながら言い返す。
「まぁ、いいじゃん。行ったら分かるんだからさ。明日○○駅に朝九時集合な」
拓真の返事を待たずに電話が切れた。
そういえば豪はいつも一方的で、突拍子もないことを連絡してくるような奴だった。拓真はため息をつきながらひとりごちる。
「明日、俺に予定があったらどうするんだよ。まぁ、何もないんですけどね」
拓真は文句を言いながらも、スマートフォンのアラームを七時半にセットしたのだった。
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