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 いつもそんな顔で、ユウセイはタイジの前に現れる。 「何の用だって?」  何もないのがわかっていながら、わざと意地悪くにやりと笑って聞いてみる。 「うっせえんじゃ。ヒマなんだわ」 「で?」 「別に。お前も何か、ヒマになったような話聞いたもんだでよ。電話したっただけだわ」  恩着せがましく、というよりは言い訳するように彼は呟き、唇を尖らせて顔をそむける。数年振りに来たというのに、まるでいつものことであるかのように手近な雑貨を避けて適当な位置に当たり前のような顔をしてあぐらをかく。 「で、何。何で解散」  体を揺らしながら、薄目で此方を見る。昔、よくこの表情を見た。粋がっている子どものそれだ。その表情が好きだった。 「別に。潮時やったから」  素っ気無く答えると、ふうん、と幾度も頷いて手土産のつもりらしいスーパーの袋をがさがさと開く。
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