探しもの

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 *** エピローグ ***  これは、彼と彼女で探しものを行う数日前の話です。  彼女のクラスメートで同じ文芸部の友達と、一緒に帰る道すがら―― 「そういえば、真紀ちゃんて、ケンジ君の事好きなんでしょう?」 「え! そそ、そんなことないよ」 「うそだー、真紀ちゃんのケンジ君に対する態度って、どう見ても他の男子に対する態度と違うよー」 「そそ、それは。ほら、彼は隣の席の男子だし……」 「それじゃあ、ケンジ君のこと嫌いなの?」 「ううん、そういうわけじゃないわ。だけど、それに、ほら、彼も私のこと興味無いようだし」 「え? ケンジ君、真紀ちゃんの事好きだよ、絶対。はたから見てて、ケンジ君の真紀ちゃんに対する態度が他の女子と違うもん。」 「……」 「なーんだ。お互い、両想いなのに気が小さい者同士だから気が付かないんだね…… 分かった、私に任せて! ワタシが愛のキューピッドになってあげるね」  そう言うと、友達はニコリと笑って、慌てて言い訳しようとしている彼女と別れた。  * * *  そして、当日の朝早く。 「真紀ちゃん、私は教室内に封筒を隠したから、放課後、誰もいない時に、ケンジ君と一緒に封筒を探してね。目印に王冠マークがついているから。そして、封筒が見つかったら彼に中身を読んでもらって。絶対にアナタが封筒を開いて読んじゃダメだよ。彼に封筒を開けさせて、中の文章を読んでもらうんだからね!」  そう言って友達は、彼女の肩をぽんぽんとたたいで自分の席に戻って行ったのでした。
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