王子が再来する。

1/14
760人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ

王子が再来する。

王子というあだ名の男、田口雅人(たぐちまさと)の第一印象は「胡散臭い」だった。 事の運びで彼を私に紹介する事になった親友は、その形容詞が的確だと大笑いしていたけれど、普通の女子の大半が「かっこいい」「イケメン」「好青年」という第一印象を抱くだろう男だ。 それ故に、王子。 その王子が何故か私の職場にやってきた。 窓口でびっくりする私に「よぅ、繭ちゃん」と手を軽く振っている。 私の隣に立っている先輩の目が釘付けになっているのが、横目でわかる。 私じゃなくて、その先輩や私の背後にいる他の女性、全員にむけて、私の顔ににっこりしている。 そういう男だ。 女性陣のかすかなざわめきを背後に感じる。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!