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「……え?」
なにを言ったか聞き取れず、聞き返すが。お兄様はそれ以上なにも言わず、つかつかと階段を降りてしまった。
「待って!」
足早に去っていくお兄様の背中を追いかける。階段を降りて走ろうとしたら、大広間でドレスの裾を踏んでしまい、転んでしまった。
(アルバートお兄様、なにを言おうとしたの?)
追いかけるのをあきらめ、冷たい花崗岩の床に座り込んでいると。ミア、ミアとヒステリックに呼ぶ声が聞こえてきた。
「……ミア、ミア、私のミア! どこにいるの⁉」
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