3 なにを言おうとしたの?

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「……え?」  なにを言ったか聞き取れず、聞き返すが。お兄様はそれ以上なにも言わず、つかつかと階段を降りてしまった。 「待って!」  足早に去っていくお兄様の背中を追いかける。階段を降りて走ろうとしたら、大広間(ホール)でドレスの裾を踏んでしまい、転んでしまった。 (アルバートお兄様、なにを言おうとしたの?)  追いかけるのをあきらめ、冷たい花崗岩(グラニット)の床に座り込んでいると。ミア、ミアとヒステリックに呼ぶ声が聞こえてきた。 「……ミア、ミア、私のミア! どこにいるの⁉」
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