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僕の宝物。それは庭師の少年からこっそり譲ってもらった「男物の服」だ。黄色くなったシャツの上に着るのは、動物の皮でできたチョッキ。タイツをはき、だぼだぼの半ズボンをはき、穴の開いた革靴を履く。
最後の仕上げに、長い髪の毛を頭の上で結び、ベレー帽に収納した。
鏡の前で確認する。全体的にねずみ色のコーディネート。どこからどう見ても労働者階級の少年だ。本来の「男」という性を取り戻したことで、体中に力がみなぎってくる。
「よし!」
このお屋敷の警備は厳しい。高い塀に囲まれている上、門には昼も夜も見張りがいる。だが、一か所だけ抜け道があるのだ。
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