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扉をくぐるとオークの森。森を抜けると草原、小麦畑が続く。ま新しいろうそくが燃え尽きるくらいの時間をあけて、ようやくたどり着くことができた。
海沿いの町。
アランドル地方で最もにぎやかなところに。
「へい、らっしゃい!」
教会を中心に、たくさんのお店が軒をつらねている。魚屋、肉屋、パン屋、鍛冶屋、薪屋……。いたるところに火がたかれ、人々の喧騒が聞こえる。町はまだまだ眠る気配を見せない。
海沿いには船が並んでいる。漁から帰ってきた男たちが、酒場に集まり、酒盛りに興じているのだ。
「へへっ、あっしの勝ちだな」
「なにおう、次は銅貨三枚賭けてやる!」
ぐびぐびビールを飲みながら、酒樽の上でサイコロ賭博に興じるおじさんたち。男臭くて荒っぽいこの雰囲気が、僕は大好きだ。お母様がご覧になったら、きっと眉をひそめるのだろうけど。
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