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「せっかくだから、ここでお茶にしましょう」
お母様がぱんぱんと手を叩くと、お母様専属のメイドがすぐにやってきた。二人だけのお茶会の準備をするために。
「さあ、今日はどんなお茶にしようかしら」
一人のメイドが、鍵つきの木箱を差し出した。入っているのは、東洋から運ばれてきた茶葉だ。とても高価なものなので、最も信頼されたメイドに託され、厳重に保管されている。
輸入でしか手に入らない茶葉は貴重なもの。ゆえに上流階級しか手に入れることができない。
「お茶」は、富と権力の象徴でもあった。
茶葉を選び、うやうやしくスプーンですくい、純銀のティーポットで抽出する。じっくりと蒸らしている間に、お母様は鍵つき木箱から、さらになにかを取り出した。
「見てごらんなさい。このティーカップもすてきでしょう?」
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