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言うなりそのオレンジ髪の青年は、片手で僕の両足を、片手で背中を持ち上げた。まるでお姫様を抱きあげる王子様みたいに。
「君、軽いねえ」
「ち、ちょっと待っ、……わわっ!」
悲鳴をあげてしまったのは、彼が壁を足掛かりにして、屋根に飛び移ったからだ。足元で、オーク木材の屋根がきしみ、ギシッと音をたてた。
「や、屋根に登ってどうするつもり⁉
……まさか⁉」
まさか、と言った時には、僕たちはすでに空中にいた。
「そのまさかだよ。しっかりつかまっててね!」
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