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「うわあああああっ!」
青年はジャンプした。次の屋根に向かって。タタタッと屋根の上を走って、さらに次の屋根に飛び移る。
月が跳ね、星がきらきらとまい上がる。宝石をばらまいたような煌めきにつつまれ、風の音色が音楽をかなでる。まるで空に溶け込んでいるみたいだ。
衝撃とともに現実に戻った時には、次の屋根に着地している。煉瓦造りの煙突をまたぎ、傾斜した板屋根の端っこから、また空中へ身を躍らせる。月が跳ね、星がきらきらとまい上がり……。
ドキドキと胸が高鳴っていた。とてもロマンティックな情景だったから、……ではなくて、あまりの急激な上下運動に心臓がついていかなかったから。ただただ、落ちないように青年にしがみつくのに必死だった。
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