7人が本棚に入れています
本棚に追加
(ブブ、ブブ、ブブ…)
スマホで結婚関連のネットサーフィンをしていると、そのスマホが俺の手の中で震えた。
---またかかってきた。
あんな電話の切り方をしたら、いつもなら数日はかかってこないはずだったが、何故だか今夜はすぐかかってきた。
俺はその意味するところを感じ取り、多少の覚悟を胸に、通話ボタンを押した。
「もしもし…」
「ああ、ヒロシ?
アンタあげな失礼な電話の切り方しよってからに。
なんなんよ、いったい。
そいで、早よ孫の顔見せてって前から言っとろうが。
孫の顔見せるの、いつまで待たせる?
お父さんもお母さんも、いつまでも生きとりゃせんからね?
そうそう。
どげん?あんたが前にチラッと言うとったアスカちゃんとは、その後いい話はないんか?」
さっきと同じように捲し立てる母。
「母ちゃん、さっきはごめん。
俺も、結婚したい…。
したいと思っとるよ
…でもな。母ちゃん。
あんたの息子は、まずその相手を探すところからかだわ。
因みにアスカは、二次元な?」
俺の覚悟を告白を聞いた母は、何故だか「良かった」と言って、叔母の紹介する見合いの話を切り出した。
母の言った「良かった」とはどういう意味だろう…。
俺はまた一晩悩まされそうだ。
終わり
最初のコメントを投稿しよう!