1.昔話

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それは遥か遠い遠い昔の出来事。   世界の全てを神様が取り仕切っていた頃。   神様は大変賢く、偉大な方でありました。   神様を慕う部下は多く、その部下達を使い神様は世界を回していました。     しかし、ある日、事件が起きたのです。   なんと神様が一切の仕事をやめてしまったのです。   少しずつ世界は乱れていきました。   部下達は神様に仕事をしてくれるように頼みました。   それと同時に、何故仕事をやめてしまったのかと、理由を訊ねました。   神様はこう言いました。     『仕事は退屈で仕方ありません。』     そしてこうも言いました。     『面白いものをくれたら仕事に戻りましょう。』   部下達は話し合いました。   神様にとって何が面白いものなのか。   何なら仕事の支障にならず退屈を紛らわせる事ができるのか。   部下達はある一つのものに行き着きました。   そして神様に交渉しました。     『あなたに1人だけ人間を差し上げましょう。』     神様はにっこり笑って頷きました。   これは遠い遠い昔の出来事。
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