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1日の始まり、朝のルーティンは人生を左右する。
布団から出る、歯を磨く、顔を洗う、着替える、ニュースを見る。こういった朝のTO DOをどのように、どの順番でやるかで1日のコンディションが決まる。誰もが朝の一分一秒をどう使うか悩んだことがあるはずだ。
僕はスヌーズ機能でだらだらと起きるのは嫌だから、アラーム一発で起きる。起きてすぐ水を一杯飲むのが身体にスイッチが入る合図で、そこから洗顔、歯磨きとこなして覚醒度合いを高める。
洗顔フォームはサッパリ爽快感のあるものではなく、ニキビが増えないように肌への優しさで選んでいる。中学生男子の肌は繊細なのである。ゴシゴシ洗うのではなく、泡を転がすように馴染ませるのもポイントだ。
ただ実は僕、朝に強くはないのだ。だからシャキッとするために、水は冷ためにする。一番冷たい位置に合わせレバーを押し、まずは手をさらして水温に慣れてから、勢いよく顔にかける。血管が引き締まる気がするが、実際そうなっているからわからない。
そんなこだわりのルーティンだが、一つ大きな問題がある。朝食だ。僕はご飯が食べたいのに、この家はパンを焼くのである。しかもなんと、ジャムやマーマレードを塗るのだ。それはもうデザートではないのか。食事とは甘いものではなくしょっぱいもので食べるべきものだろう。
この許し難いしきたりが、僕が田中家で今後生きていくことを悩ませる最大の要因だった。
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