理想的なオフィスラブ

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違う部署の早乙女なつき。 「お疲れ様」 たった一言、彼に微笑みかける優しい彼女。 背が高くてすらっとしてて モデルみたいなプロポーション。 手足が長くて8頭身みたいに見える。小顔で髪が腰まである。 6センチ以上の黒いピンヒールがよく似合う。 (いいな。あんな容姿が欲しかった) 笑い合って幸せそう 好きになるっていいな。 憧れはそのままに別の感情が顔を出す。 「彼以外を好きになるなんて、今の私には考えられない」 なんで彼女なの? 彼女より優れている点を探してしまう。 彼女より頭良い。 彼女より器用。 彼女より気配り出来る。 そんなことを考えている時点で性格が悪い。 わかってるけど 彼女を貶めたい。 「私だって」 比べるものではないのに。 恋はツライ。 彼が好きなはずなのに。 なのに時々彼を責めたくなる。 そんな権利ないのに。 「私だけをみて」 彼の心を望むたびに締め付けられるくらい 胸が痛い。 「この感情、彼に打ち明ければ解決できる?」 そんな答えなんて決まっている。 気持ち悪いといわれるだけ。 職場にすらいられなくなるかもしれない。 頭では分かっていても、 目は正直で、二人の姿を見てしまう。 「なぁ、そんなに先輩見てると訴えられんぞ」 「キャッ」 突然私の視界は遮られた。 書類入りのクリアファイルによって。 「ビックリしたー朝峰」 同期入社の朝峰諒太。 ラグビー部にいそうなガッチリした体格のフツメン。 何かというとからかってくる。仕事上もよく連絡をとる。 朝峰のことよりも 先輩たちがどんなことを言っているのか気になってしまう。 「確認のちハンコ宜しくでーす」 今日も残業確定の私。 「はいはい」 「終わったら空飛べるドリンク買ってあげますからお仕事」 「ドウモありがとう」 ペタンとハンコを付いてまたパソコンに向かう。
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