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「となると、あの三匹のブタを元の姿に戻してヴェノモを案内してもらうしかないけど、あの三匹の好きなものが分からないのが痛いよね」
「私たちの特技、パッシブに盗まれているから、向こうの好きなものは何か、試すことも出来ないし……」
「やっぱり、あの三匹のブタを避けて、分かれ道どれかをカンで選んで、しゅんさんたちを探し出すしかないか」
「ちょっと待ってくれ。ミーケが何か言ってる」
ワンリックがニャーニャー鳴いていたミーケの言葉を訳すと、三匹のうち一匹、ブタの姿になっているミーケの友だちがいるようだ。白とベージュのブタがそうだった。名前はフルドンで元の姿が犬だったことに梨吹たちは驚いていた。確かに白とベージュのブタはあと二匹のブタと比べ、耳が大きかった。ミーケはフルドンの特技と好きなものをニャーニャー教えた。ワンリックが訳し伝える。
「フルドンの特技は遠くへ投げたものをキャッチ出来ることだ。好きなものは、シャカシャカと音の鳴るものらしい」
「あ、それなら、ある!」
「あるよね!」
玲月と麗未の表情が明るくなった。二人は梨吹の方を見た。視線を感じた少女は、
「はい」
と、返事をし、立ち上がり振り返った。
「まだ呼んでないけど、大深さんに用がある」
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