最終話、ここにいるということ

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 さらにその次も八つの分かれ道であり、梨吹たちは同じところを行ったり来たりしているだけなのではないかとゲンナリしていた。電子機器の地図を見ていた麗未は、これでも先にどんどん進めていると、みんなを励ましていた。ここで、ミーケとフルドンが立ち止まった。耳をぴんぴんさせている。  「ミーケちゃん、フルドンくん、どうしたの?」  梨吹が尋ねると、ミーケとフルドンはそれぞれ鳴き声を出し、返事をしていた。ワンリックが訳す。  「どこかから人の声が聞こえるってさ」  「風雅さんたちかもしれません」  「ああ、人の声ってことはそうかもしれない。今のヴェノモはパッシブに特技を売って暮らしてブタになってしまっている者がほとんどだからな」  「じゃあ、しゅんさんたちの声に決まりだ」  「どっちから聞こえるか、分かるかな?」  麗未がミーケとフルドンの前にしゃがんで聞くと、二匹は再び走り出した。梨吹たちは慌てながら追いかける。  「声のした方へ案内してくれてるんだな」  と、ワンリックが言った。  道中、ブタに遭遇することがあったが、フルドンが吠えることでびっくりし、みんな逃げて行く。何度か八つの分かれ道を繰り返していたが、梨吹たちはようやく広場のところに出た。そこに俊五とワモ、ウェースとワグ、ルニカがいた。
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