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俊五はバットを持って構え、ウェースはグローブを片手にボールを投げる体勢だった。キャッチャーはルニカが務めていた。ワモはワグと睨み合っていた。俊五とウェースは野球のバッティング対決、ワモとワグはダンスの対決をしていた。どうやら、対決が始まってから時間がだいぶ経過していたようだ。俊五たちの息があがっていた。梨吹たちが駆け寄ろうとすると、俊五とワモにすぐさま来るなと言われてしまう。
「君たち、来たらだめだ!」
「来るんじゃねえ! ああもう、タイミングが何て悪いんだ……」
梨吹たちはムッとなっていたが、俊五とワモの言っていることの意味が間もなく分かることになる。梨吹たちはブタに何匹か囲まれてしまった。俊五とワモの方も同じ状況だったか、ブタに囲まれた状態だった。
「ここにいるブタたち、みんなウェースの配下か」
「ああ、そうだ。ここはパッシブの集う場所だからな。特技を持たないお前たち、どうする?」
と、ウェースが言ったあと笑い、ワグも笑い出した。
「くくくくく、お兄ちゃんたち、ボクたちに勝つのは難しいの分かってるのに、諦めないんだよ」
「当たり前だ。オレはそっちがギブアップするまではしつこいぞ」
俊五はそう言いながら、ウェースの投げる変化球のボールをバットで振ったが、空振りしていた。
「くくく、そっちのお兄ちゃん、何度空振りしてるんだろうね」
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