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俊五とワモが強気でウェースとワグに挑むことで、不敵に笑っていた二人はだんだんと余裕がなくなってきたようだ。引き締まったような表情になってくる。そして、ウェースが次の一球を投げたとき、俊五はヒットを打った。
「ホームラン」
「ホームランじゃないから」
梨吹にツッコんだ麗未だった。
「しゅんさんがいつもの調子に戻ってきた。さすが班長だ。よし、私も!」
俊五から刺激を受けた玲月も、縫いものに気合いが入り、何度も縫い直しているうちに曲がっていた縫い目が真っ直ぐになり、玉留めもばっちり出来るようになった。玲月は、ハンカチ一枚で出来たティッシュケースを完成させることが出来た。玲月の作ったティッシュケースを見に、ブタが何匹か寄って来たため、少女は固まっていたが、ハンカチをくわえ、持ってきたブタがいたため、喜んで縫いものをした。
「手芸をしているときのまにさん、楽しそう」
「詩野輪さん、ファイト」
「大深さん、風雅さんたちの応援しなくていいの?」
「だって、あの二人、決着がつきそうなんだもの」
ウェースの投げたボールをもう空振りすることなくヒットを打ち続ける俊五と、ポップダンスやブレイクダンスを踊り続け、弟のワグを圧倒させていたワモを見て言った梨吹だった。
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