最終話、ここにいるということ

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 「わっ、脅かすなよ」  「ずっと後ろからついて来てたよ。りふが気づかねえで、しゅんさんと行っちゃうんだもん」  「ごめん……」  「そっか、りふは、しゅんさんしか見えてなかったかー」  「もー、ワモくん、あっち行ってー」  梨吹は顔を真っ赤にしながら怒り、少年を追い払った。  「いいよー、しのっちゃんとこ行くから」  「何でいじけてるの……」  「ワモも、梨吹に話したいことがあったんじゃない。例えば三毛ネコを連れた謎のお姉さんのこととか。前にワグがワモとお姉さんが会ってるみたいなこと言ってたよな。梨吹?」  少女が地べたに座り込み、泣き出してしまったからだろう。俊五が困った表情になる。麗未のところに行こうとしていたところ、引き返してきたワモは梨吹の肩に手を置き、どうしたのか尋ねた。梨吹は泣き止んだあと、三毛ネコのミーケがホグダットに住んでいる魔法が使えるネコ、お姉さんがリボンヘアゴムに宿る女神だったことを俊五とワモに話した。お姉さんも失ってしまったことが分かった少年たちも暗い表情になっていた。だが、梨吹の方がショックだと気持ちを察し、麗未のことで話題を変えることにした。  「詩野輪、待たせてるよな。行こうか」  「はい」  「りふ、しのっちゃんの特技を取り戻すんだろう。あと何の特技が取り戻せてない?」
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