最終話、ここにいるということ

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 「あとは暗算と料理だよ」  「しのっちゃん、難しそうなのが得意なんだな」  「これは時間が掛かりそうだな。詩野輪次第だけど」  「詩野輪さんなら大丈夫」  「信じているんだな」  「はい、あの子は頑張り屋です」  「りふ、あの子は大事にした方がいいぞ。ふっ、まあお互い冷たくしすぎて仲悪くならないようにねー」  ワモは真顔で言ったかと思うと、ふざけたような口調になり、麗未のところに行ってしまった。梨吹は俊五と顔を見合わせ、苦笑し合っていた。  梨吹と、手芸にキリがついた玲月、俊五、ワモの協力プレーにより、麗未は暗算と料理の特技も取り戻すことが出来た。料理の方は練習しているうちに、炒め物を多く作り過ぎたため、ヴェノモの住人みんなに行き渡った。地面に倒れていたウェースとワグも起き上がり、炒め物を食べていた。その後、彼らは何も言わず、どこかへ行ってしまった。  「ワモくん、ワグくんはいいの?」  「ああ、向こうへ行ったってことは、ウェースが放っておけないみたいだ。ワグの好きにしたらいいよ」  「もし、ウェースとまた何か悪いことをしたらどうするんだ?」  「あの様子じゃ、何もする気になれないと思うよ。一回は特技をなくして取り戻したオレたちにあいつらは負けたんだから」
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