第10話、ヴェノモへ

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 「ミーケちゃん、お姉さんは?」  梨吹が聞くと、ミーケは困ったような表情でニャーと鳴いた。  「何!?」  ワンリックたちファグディエイトはミーケの言葉が通じていた。  「ミーケちゃん、何て言ったの?」  玲月が尋ねると、ワンリックは目を閉じ、答える。  「ノクロマがお嬢ちゃんのリボンヘアゴムを川に投げ捨てたあと、消えてしまったそうだ」  ワンリックの言葉を聞いた梨吹たちは目を丸くしていた。彼がミーケの言葉の続きを訳すと、ミーケがヴェノモまで連れて行ってくれるとのことだ。だが、麗未が待ったをかけた。  「一度ヴェノモに行くと、とんでもない話をルニカさんから聞いた気がします」  「そこはどうにかなるみたいなことを、ミーケが言っているようだがな。それに、移動してからりふに話があるようだ。うーん、ミーケの通訳にオレもやっぱりついて行った方がいいな。電子機器の使い方をまだ伝え切れていない部分もあるしな。それに、お嬢ちゃんたち三人とネコ一匹でヴェノモに行かせるの心配だ」  ワンリックの同行に反対するファグディエイトのメンバーは中には1人いたが、あとは反対する者はいなかった。ミーケも彼ならついて行ってもいいと、ニャーニャー鳴いていた。  こうして、梨吹たちはミーケの魔法でヴェノモにワープしたのだった。
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