最終話、ここにいるということ

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最終話、ここにいるということ

 ホグダット最大の迷宮地、ヴェノモ。上空からのデータで映っていた電子機器の地図によると、道はかなり複雑になっていた。分かれ道も多く、まるで、広い迷路の中にいるようなヴェノモに梨吹たちは早速、不安になる。  「私、進むの怖くなってきた」  電子機器の地図を持った梨吹が歩く足を止めた。  「あーら、大深さんにしてはびびってるじゃない」  と、言いながら、麗未もぶるぶる震えていた。  「こんなんじゃ、しゅんさんたち、見つけられる自信がないよね」  「大丈夫、ミーケが耳いいらしい。とにかく前に進もうぜ」  「何か、しゅんさんの代わりにワンリックさんが班長になったみたい」  「私は班長、ワンリックさんがいいな。風雅さん、厳しいんだもの」  「そりゃあ、気に入られてるからじゃん。そうだから、つい、びしっと言ってしまうんだよ」  「そんなことないですよ」  こういうことを言う梨吹に、玲月と麗未は苦笑していた。  ここで、先頭を歩いていたミーケが梨吹の隣に来た。先ほど、梨吹にミーケから話があることについて、ワンリックの通訳に少女たちは耳を傾けた。  ミーケを連れていたお姉さんは実は、ワモのことを知っていた。ワモがジュアリから梨吹のリボンヘアゴムをもらったあと、少年とお姉さんは出会ったようだ。
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