最終話、ここにいるということ

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 ワモは初め、ジュアリからもらった梨吹のリボンヘアゴムを捨てようとしていた。そのとき、お姉さんが突然現れ、梨吹のリボンヘアゴムのことについて聞いたことで捨てられなくなってしまった。また、ワモはお姉さんが何者か知ってしまう。お姉さんは、梨吹のリボンヘアゴムに宿っていた女神だった。異世界ホグダットに来た女神は梨吹のリボンヘアゴムを盗んだ黒ネコのクロックを追っているうちに、三毛ネコのミーケと出会い、共に行動するようになった。ミーケの方は、ホグダットに住む魔法が使えるネコだった。  女神はワモに地球人またはブルプラ人がホグダットに来たとき、頼ると良いことを伝えた。梨吹たちのことだ。まず、どの辺に梨吹たちが来るか、女神はワモに教えた。ディップタウンで梨吹たちの姿が見えると、ワモはブルプラ人の四人のうち誰がリボンヘアゴムの持ち主か、だんだん分かってきたようだ。ワモは梨吹の姿を遠くから見て、リボンヘアゴムを返そうとしていたが、その考えをやめた。少年は、玲月と麗未と俊五がパッシブに盗まれる前は特技を持っていたことに対し、梨吹だけ特技を持っていなかったことに気付いてしまったからだ。ここでリボンヘアゴムを梨吹に返してしまうと、少女だけホグダットに来た意味がなくなってしまうのではないかと考えたワモは、しばらく梨吹のリボンヘアゴムを持ち主に返さず、持つことに決めた。
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