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隣のセレストブルーがきらっと光って私を見つめた。全てを見透かすようにじっと私を見つめて、その凛とした声で「ソラ」と私の名前を呼ぶ。
……やめて。
その声で名前を呼ばれると私、
どうしたらいいのか分からなくなるの。
「ちゃんと言えよ」
「……、」
「思ってること全部吐き出せよ」
「……なにを?」
「本当は、応援なんて微塵もしてないくせに」
「……」
「…………言えって。……頼むから」
懇願するように手を取られると、体が怯えたように揺れた。ぐらぐら、今に壊れそうに震える透き通る青を見つめていたら、勝手に口から言葉が零れていた。
「──うそ、つき」
それがきっかけだったように、脆かった心が次から次へと崩れていく。
「うそつき、……、カイの、うそつき……!」
「……うん」
「ずっと傍にいるって言ったじゃん、一緒だよって言ってたじゃん、」
「うん」
「何もかも捨ててきたなんて、俺にはなんにもないなんてうそ、私しかいらないって言ってたのも全部、うそ……っ」
「……」
「だってカイにはたくさん待ってる人がいる、カイを求めてる人がいる!ひとりなんかじゃないじゃん!!迎えに来てくれる人だっていたじゃん!!!」
「……」
「そうやって、今度は私を置いてくんでしょ……!?」
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