僕と君の探しもの

12/12

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
と・・・その時、ふわりと僕の車が宙に浮いた。 クマだ。 クマは僕の車を軽々と持ち上げて、ジープの後方へ、そっと置いた。 ホッとして・・・僕はシートに寄りかかったまま、少しの間、身動きができなかった。 コンコンと誰かが運転席側の窓を叩く。 見ると、ジープを運転していたらしいサングラスをかけたシュワルツネッガー並みのキン肉マン&茶髪の男が、顎で僕に外に出ろと合図している。 僕は怯え、このままエンジンをかけて走り去ろうかと思った時。 その男の背後でクマがニンマリと笑っているのが見えた。 クマは、ちょんちょんと爪で男の肩をたたいた。 男は振り向いた瞬間! 「ギャァァァァァ―――ッ」 と泣きそうに叫んでジープに乗りこみ、たちまち走り去った。 僕は車から出て、クマに抱きついた。 「ありがとう!持つべきものは友だちだ!」 「俺はいつだって、オマエが国道に出るまで密かに警備しているからな」 「そうなの?」 「ああ。任せろ!大船に乗ったつもりでいろ!」 「大クマに乗ったつもりでいるよ。まるで金太郎だな!」 あははははは・・・  わっはっはっはっは おしまい
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加